勝又亜依子と神山さやかの比較


ASAYAN女性ヴォーカリストオーディションの結果、勝又亜依子(16)が勝利をおさめることとなりましたが、笹路氏がプロデューサー軍団から離脱して、ひとりで神山さやか(18)をプロデュースすることとなりました。その結果、「真の歌姫」を決める必要が出てきたため、デビューシングルでもってバトルをすることとなりました。

今のところ、二人のデビューシングルはこんな風になっております。そして、オリコン初登場順位は勝又亜依子16位(21680)、神山さやか20位(16710)ということになりました。

ここでは二人のデビュー曲を聴いて思ったことを比較してみたいと思います。

勝又亜依子デビュー曲『KEEP ON YOUR SIDE』は、さすがダンスミュージックを手がけるプロデューサーが集まっただけあって楽しげなヒップホップに仕上がっています。音楽的なことは置いといて、曲によって喚起される風景はこんなふうになると思います。
真ん中の赤い楕円が勝又さん。円筒の中の楕円はダンサー。円筒の外の楕円はリスナー。

だいたい勝又さんの曲がカバーしている範囲は、勝又さんを中心にして円筒の底面の半径が約5m、その外にだいたい5m、全部で半径10mほどの部分になってきます。つまり、半径10mほどのせまい世界だけで完結しているということになります。ですが、その中には非常に濃密な世界が広がっていて、勝又さんとダンサーが見せるダンスと歌のパフォーマンスでもって外のリスナーをみんな虜にしている風景が浮かんでくるのです。

もちろん勝又さん自身も大量のエネルギーを放射しており、リスナーの心をつかんで放さないのです。そう、勝又さん・ダンサー・リスナーの三者でもってひとつの楽しい空間を構成しているさまが、『KEEP ON YOUR SIDE』を聞くと浮かび上がってくるのです。

一方、神山さんのデビュー曲『月とハーモニカ』ですが、この曲は先ほど説明した風景とは全く違った世界が浮かんでくるのです。
真ん中の赤い円が神山さん、黒線で塗ってある円がリスナー(ひとり)。

神山さんの曲がカバーしている範囲は、基本的に見えているところすべてです。大きな半円は視界を表しているものと考えてください。つまり、広大な平原の中でただひとりギターを弾きながら唄っている風景が私には浮かんでくるのです。

神山さんが相手にしているのは、たったひとりのリスナーです。その人に向かって、見える限りの背景からのエネルギーを渡しているというイメージが私には見えてきました。つまり、見えているすべてのものを味方に付けて、たったひとりを癒すために唄っている…そんな優しい姿を神山さんは見せているのです。

どちらの世界もとても素晴らしい世界であり、両方とも堪能できることは誠にすばらしいものです。ですが、今の音楽業界は(リスナーがといっても過言ではないでしょう)数字でもって実力を測り、そして捨てていくというある意味寂しい業界となっています。

そんな寂しい世界に乗り出した場合、勝又さんの方が有利なのはまちがいありません。勝又さんの風景は何人でも取り込むことができるのに、神山さんの方は視界の中にリスナーがたくさんはいってしまうと効果がなくなってしまうのです。

大自然が気持ちいい風を送っているときに土足でずかずか入り込まれると、もうそこは気持ちいい空間ではなくなってしまうでしょう。それに、神山さんの優しい世界は、神山さんの方が実力がないからこそ(現時点での評価ですよ、あくまでも)実現できる世界であるというジレンマがあるのです。神山さんを通して後ろの世界がエネルギーを送るためには、神山さん自身がエネルギーを出してはいけないのです。

自分のエネルギーを持って世界を切り開いていく勝又さんの方が、この業界では生き残りやすいと言えるでしょう。従って、所属レコード会社の社長の判断「勝又亜依子を超歌姫に決定する」は全くもって正しいのです。そして、「みんなに愛されるシンガー、神山さやか」に神山さんが変身するためには、やはり数字を叩き出せるレコード会社の存在が必要不可欠となっているのです。結局のところ、あの社長の判断が正しかったということも、二人の歌を聴くと納得できてしまうのです。

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