極私的感銘作品集(vol.12)

このページでは、私が実際に聞いたJ-POPのなかからいくつかをとりあげ、

いろいろ書いていくものです。


何もしてあげられない(ELLIS[エリ])

おそらく皆さんは知らない曲なのでしょうが、私にとっては必要な歌の一つです。

 

1992年9月26日に発売されたこの歌は、彼に会えない女の寂しさを綴った曲です。「何もして

あげられないけれど、せめて元気でいることを祈って」いる事から考えると、遠距離恋愛の

寂しさをかいていると思われます。

 

この曲の歌詞を見ると、「枕の横電話置いた 何時にでもかけてきてね」とか「おやすみと

窓の方にささやく」とか、彼のことを気遣って「あなたのためにいつまでも待っています」という

静かな、しかし暖かい愛の形が溢れています。

 

ところで、一時期遠距離恋愛が話題になった時期があったように記憶していますが、今では

離れることは別れる原因になってしまっています。離れても愛し続けることはエネルギーがいる

うえに、よく裏切られてしまうという哀しい愛の形になりがちです。この曲が流れていた頃は

(私がラジオで聞いていた頃、高校生くらいでしょう)遠距離恋愛という形が純粋な愛の形として

語られていました。この歌にはそのころの女性を励ます暖かさと力強さがあるように感じました。

 

私にはとても美しくみえます。しかし、おそらく現在ではこのことを理解する人は少ないでしょう。

もっとわがままな女になるように奨励されている時代ですから。

 

こういう女が馬鹿にされる時代に生きていることに、ある種の絶望を感じます。

 

下に、この歌のデータを書いておきます。今から手に入れるためには中古屋をまわる必要が

あるので、無意味かもしれませんが。

Words Written by エリ Songs Composed & Arranged by 近藤洋史

株式会社ポリスター PSDR-3015 1999/09/26


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