椎名林檎研究(vol.14)

やっぱり目をそらせない椎名林檎を正面から見据えて

正体をみれたらいいな、というわけで書いています。


深刻なる不幸と林檎(3)

ところで、雑誌「音楽と人」などのインタビューを見ていくと、どうも今流れている曲ができて

きた10代の頃よりも幸せな状態にあるように感じます。

 

−最初の頃の、藁をも掴む思いで曲を書き、歌っていた焦りのようなものは、今は穏やかに

なってきてる?

「うん、そうですね。そんな気がしますね」

(「」内が林檎の発言、音楽と人2月号より)

 

曲を作らないといけないという強迫観念に迫られていたように語っていた人が、最近はそうでは

なくなったという風に言っています。そのことは、椎名林檎が”深刻なる不幸”から離れたこと

を示しています。

 

死ぬような思いで作ったものが認められるまで、表現者が等しくたどるような道を彼女もたどって

いたようです。そして表現者としての幸福はその手に掴んでいました。

 

しかし、それが彼女にとっての幸福になりうるかどうか、それは誰にもわからないことです。

ある日全てを放り出して逃げていってしまいそうな危うささえもそこにはかいま見えるのです。


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