このページでは、私が実際に聞いたJ-POPのなかからいくつかをとりあげ、
いろいろ書いていくものです。
ありふれたグレイ(篠原美也子)
いつの時代にも早すぎた天才は存在します。早すぎて埋もれてしまって記憶もされない
ということさえあります。とてももったいない話です。
ただガールポップ時代を迎えたというだけで、時流に乗ることができず、大きな
矛盾を抱えた上に記憶にさえ残らなくなっている人は結構います。篠原美也子もその一人
だと思っています。
彼女はガールポップ的価値観を選びませんでした。「自分らしく生きる」ことと「幸せに
生きる」こととが一致しないことをいち早く察知したのでしょう。そして、この歌を聴いていて
知ったのですが、本能的ながら「無知の知」を知っているのです。つまり、「自分は平凡で
ある」ということを知っていて、そこから自分の生き方を作っているのです。
『燃えるような赤に憧れ』つつも、そこまで激しくはなれず、『透き通った青になりたくて』も
そこまでクールになれない。そんな『ありふれたグレイ』であることを、人生を通じて
痛いほど思い知らされます。しかし、歌詞には出ていないのですが、「そんな自分こそが
自分らしい」ことを主張しているように思えるのです。
彼女はファンに愛されているのでしょう。中古屋で逢うことはなかなかありません。この
CDは発売時期にも関わらず最近まで280円で売られていました。しかも一枚だけ。
同時期のtrfなんかは投げ売りなんですけどね。
作詞・作曲:篠原美也子 編曲:荻田光雄
Manufactured by T-GRAND MUSIC CO.,LTD.
Distributed by TEICHIKU RECORDS CO.,LTD. TGDN-2 1994/10/21
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