極私的感銘作品集(vol.16)

このページでは、私が実際に聞いたJ-POPのなかからいくつかをとりあげ、

いろいろ書いていくものです。


ありふれたグレイ(篠原美也子)

いつの時代にも早すぎた天才は存在します。早すぎて埋もれてしまって記憶もされない

ということさえあります。とてももったいない話です。

 

ただガールポップ時代を迎えたというだけで、時流に乗ることができず、大きな

矛盾を抱えた上に記憶にさえ残らなくなっている人は結構います。篠原美也子もその一人

だと思っています。

 

彼女はガールポップ的価値観を選びませんでした。「自分らしく生きる」ことと「幸せに

生きる」こととが一致しないことをいち早く察知したのでしょう。そして、この歌を聴いていて

知ったのですが、本能的ながら「無知の知」を知っているのです。つまり、「自分は平凡で

ある」ということを知っていて、そこから自分の生き方を作っているのです。

 

『燃えるような赤に憧れ』つつも、そこまで激しくはなれず、『透き通った青になりたくて』も

そこまでクールになれない。そんな『ありふれたグレイ』であることを、人生を通じて

痛いほど思い知らされます。しかし、歌詞には出ていないのですが、「そんな自分こそが

自分らしい」ことを主張しているように思えるのです。

 

彼女はファンに愛されているのでしょう。中古屋で逢うことはなかなかありません。この

CDは発売時期にも関わらず最近まで280円で売られていました。しかも一枚だけ。

同時期のtrfなんかは投げ売りなんですけどね。

作詞・作曲:篠原美也子 編曲:荻田光雄

Manufactured by T-GRAND MUSIC CO.,LTD.

Distributed by TEICHIKU RECORDS CO.,LTD. TGDN-2 1994/10/21


前回の文  次回の文 
過去の記事一覧  トップページへ戻る  

E-mail address:tursiops@s5.xrea.com

ゲストブックブレーンストーミング会場意見とかありましたらぜひ書き込んでください。

http://tursiops.s5.xrea.com/

tursiops責任編集。Copyright(C)2001 by tursiops

この版権表示を残すかぎりにおいて、商業利用を含む複製・再配布が自由に認められる。