このコーナーは、曲批評だけでは語り尽くせない世界を私に見せてくれたCDを集めたものです。
イージュー・ライダー(奥田民生)
小さい「ュ」は、本当は丸囲みなのですが、機種依存文字なので、普通に書きました。
いつもの奥田民生の感じが良く出ている曲です。なにもなくただ延々続く道を
身軽な格好でいけばいいのだ、そういうメッセージが伝わってきます。「難しいことを
いわないで、ただとにかく生きようよ」といっている奥田民生が目に浮かぶようです。
カップリングには「ルパン三世主題歌U」がおさめられています。この曲も、ルパンの生き方と
奥田民生のメッセージがうまくマッチした曲で、「イージュー・ライダー」の雰囲気を続けさせる
仕上がりとなっています。
ところで、なぜこれを「あるていすと列伝」にいれたかというと、こういうメッセージを演出するに
ふさわしいシーンを使わなかったというところにその理由があります。ふつうは、こんなことを
歌い上げるのに砂漠の中の一本道とか、北海道によくある草原の中を地平線まで続く道を
バックにして、というイメージが私の中にありました。曲を聴いたときにもそういったイメージが
頭の中に残っていました。
しかし、このCDのジャケットは、(おそらく都内であろう)交差点の写真なのです。ということは、
「日常生活の中で」こうしようよ、と歌っていることになります。シンプルに生きるために
日常とは別のところへ行こうよ、という曲ではないのです。
奥田民生は、日常が「ただ延々続く」なか、身軽になって生きてみようよ、というメッセージを
リスナーに対して発信していたのです。このことは、私の中では重要なことです。なぜなら、
夢に向かって走り出そうよ、といった形になりそうな話を、全く違った形で語りかけてきた
からです。そんな夢のおい方もあるんだな、と気づかせてくれた歌だからです。
夢を追うのに夢中な方へ、気楽にいってもいいんだと教えてくれるCDだと思います。
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