極私的感銘作品集(vol.3)

このコーナーは、曲批評だけでは語り尽くせない世界を私に見せてくれたCDを集めたものです。


伝えたいことがあるんだ(小田和正)

この曲は、1997年7月24日に発売されています。”初期の”J-POPが全盛であった頃です。

それ以前のニューミュージックと呼ばれた曲調が廃れていき、TKプロデュース・ヴィジュアル系が

メインストリームを獲得したころに、全くの前フリなしに(私にはそう思えた)突然チャートに

入ってきて、長い間そのままとどまっていたのです。ジャケットに何かのタイアップだったとは

書いてありません。つまり、まったく予想外のところから入ってきたのです。

 

今改めて聞くと、そこにはやはり理由があったのかな?と思います。

 

この曲はサビ先行の曲なので、プロモではその部分が流れることになります。小田和正の声で

「伝えたいことがあるんだ 君のことが好きだから」といわれたらやっぱり引きつけられると

思うんです。愛が万能のように思われる時代には魅力的な言葉だと思います。

 

好きな人にこういわれたら女性は嬉しいでしょうね。最初にこの言葉を持ってきたのが

営業的にも成功した原因でしょう。

 

この曲は、ほかにもいろいろ愛の強さやそれを求める男の誓いの言葉が並んでいて、でも

独自の雰囲気を残してくれました。それはやはり、「作詞・作曲・編曲 小田和正」という

クレジットが象徴するように小田和正の世界が強く出ているからだと思います。

 

オンリーワンの世界を築いているアーティストが認められる時代を感じた曲だったのです。

私にはそれがありがたかったのでしょう、思い出深い曲として残っています。


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