極私的感銘作品集(vol.6)

このページでは、私が実際に聞いたJ-POPのなかからいくつかをとりあげ、

いろいろ書いていくものです。


Hello, Again〜昔からある場所〜(MY LITTLE LOVER)

ヴォーカルのAKKOの声に芸術的センスと宗教的荘厳さを感じました。

その声はモネ作の「睡蓮」の印象ににていて、形ははっきりとしていないが

確かにそこに感じることができます。また、曲はキーボードを軸としているのに

聞き終わった後に慟哭すら伴う感動を覚えてしまうのです。AKKOの声がキーボード

にあった声であるため、ふと聞いたときに印象強い歌ではないが、

聞き込むと悲しく深い感動を見せてくれる歌であるだろう(私はそう感じました)。

 

最初は過去の回想といった感じではじまります。歌詞をみてみると、男の感情を歌ったように

みえます。AKKOの声が少年の声のように聞こえてくるのはこのせいでしょうか。この曲では、

”失恋”という事実が主人公に与えた感情がかなり的確にかかれているように思います。

 

ところで、この歌詞はある方式に則ってかかれていて、それによって歌詞にいっそうの深さを

与えています。それは冒頭の歌詞に象徴的に現れているのです。

 

「少しの リグレットと罪を 包み込んで」いるのは自分であり、その自分がいる街に

雨が降り注いでいる。これはハードボイルドの世界観であり、主人公のうらぶれ方を

徹底して書いているところをみるとハードボイルドな世界を書くのに慣れている

のではないだろうか、とおもってしまうのです。

 

「そうであればこそ失恋をハードボイルドで書くという冒険をやってしまえるのだろう。いや、

小林武史の曲の書き方の一つなのかもしれない。」という考えが頭をめぐります。

 

どちらなのかは他の曲をみてみないと何ともいえないのですが、改めて歌詞をみて曲を

聴いてみるとハードボイルドな部分に感動を覚えていたという事実が見えてよかったです。

やっぱり私にはこの曲が必要です。


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