このページでは、私が実際に聞いたJ-POPのなかからいくつかをとりあげ、
いろいろ書いていくものです。
遠くまで(稲葉浩志)
「ポジティブ」この言葉は彼らを語るときにふさわしい言葉なのかもしてません。彼らとは、
B'zの稲葉浩志、松本孝弘のことです。松本氏のエレクトリックで盛り上がるギターサウンドと
稲葉氏の真摯に訴えかける声とがB'zの楽曲に説得力をあたえているのです。
「立ち上がれ、立ち上がれ、負けるな、人生に」というメッセージを発し続けてメジャーの地位を
守っている彼らの曲は、私のような「取るに足らないのに大それた悩みを持つ」人々に光を
もたらしてくれたように思います。
今回は、稲葉氏のソロ作品を取り上げてみました。彼の声は、あらゆる歌を彼色にそめるような
強烈な個性を放っています。そのために、B'zの楽曲に似た感じをうけます。しかし、松本氏の
ギターではないという点は、やはりちょっとちがう雰囲気をもたらしてくれるように思います。
それは、「悩んでいる自分の存在が感じられる」ことです。B'zの曲では、悩んでいたことは
感じさせずに結論だけを提示しているように感じます(だからこそメッセージ性が強くなるの
です)。しかし、少なくともこの作品には「自分で悩んでいる過程」がみえているのです。
「遠くまで僕らはいける。」彼はこのメッセージを実存的に身につけているのです。つまり、
悩み抜いた末の結論としていっているわけで、ほかからの借り物ではないのです。「自分で
自分を責めたりしながら」考えた結果信ずるに至ったので、彼にとってはまさしく真理のように
みえているのです。
B'zはただメジャーな曲を作っておるから生き残っているのではなく、強いメッセージを放って、
リスナーを虜にしているから結果的に売上が伸びているのです。だからこそ、「Preasure」・
「Treasure」というベスト盤が成立したのではないでしょうか。
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