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椎名林檎研究(vol.24)

やっぱり目をそらせない椎名林檎を正面から見据えて

正体をみれたらいいな、というわけで書いています。


私小説的な林檎(5)

今回は久しぶりに哲学的に考察したいと思います。

 

それにしても、椎名林檎のメークは『本能』以降普通ならやらないような濃いものになって

います。また、ストリップと名のっていながらその表紙やそこかしこに物語でしか見ない

ようなお姫様が現れています。

 

私はストリップを実際に見たことはないのでよく分からないんですが、あれって結構な

ショーになっているんですよね。

 

裸を見せるのにはやはりそれなりの方法があって、手順を踏まないと単に下品なだけ

ですが、見せ方によっては”美”として成立しうることを、ストリップは示しています。

 

椎名林檎にとって「自分の裸の心を見せるための方法」とはなんなのでしょう。普通に

考えれば、率直に物事を伝えればそれで良さそうな気がしますが、なにしろ「はみ出しもの」

なのですからそれでは誤解されます。それに、普通の物言いではなかなか相手にして

くれません(相手にされてないのですから)。そこで、自分の言い分を「演ずる」事で、

世間に訴えてきたのです。自分はこういう人だぞと。

 

メジャーデビューして、時代に乗ったことでようやく彼女は世間に勝ったのです。ですから、

『罪と罰』で明確に示されたようなポジションを勝ち取った、その確信が『勝訴ストリップ』に

現れていたように思います。一例を挙げれば、『罪と罰』の特別扱い、『月に負け犬』や

『本能』などの、「yes」といわざるを得ないような疑問形、そして全体を貫いている、

確信に満ちた椎名林檎の映像。そういったものをみれば、彼女は世間に勝ったと

誰でもが思うでしょう。

 

私はここで、彼女に聞かざるを得なくなってきました。あなたは、世間に勝った後何を

するつもりなのですか、と。おそらく答えは3rdアルバムで出てくるのでしょう。そして、

貴重なる時代の風景を切り取った”椎名林檎”は3部作を完成させるはずです。成功した

凶人の記録をのこして。


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